【北海道自転車旅行】3日目 留萌⇒天塩 その2(羽幌⇒天塩)

(2) 羽幌⇒天塩

11:29 羽幌市街を抜けて


「初山別18km 稚内132km」の表示。
 
11:43 築別


 道の先、空の向こうに築別の集落が見えてくる。かつてはここから羽幌炭鉱に向かう羽幌炭礦鉄道が分岐し、石炭の積み出しで賑わったのだろうが、1970年の炭鉱閉山と共に鉄道も廃止され、以降は猛烈な勢いで人口流出が続いているとのこと。
 集落には郵便局もあるが、実際のところ、周囲に人家などほとんど見当たらない。栄光の時代は過ぎ去り、今や半ば自然に還りかけているような集落。それが、私が築別に対して抱いた印象だった。


▲築別郵便局

「天気が悪くなるみたいなので、お気をつけて」と郵便局員の方に見送られ、出発する。空は次第に厚い雲が覆い始めていた。

12:01 初山別(しょさんべつ)村


 初山別村には日本最北の天文台「しょさんべつ天文台」が置かれている。天文台と星のイラストが描かれている。この天文台は、山口よしのぶ氏の漫画「名物!たびてつ友の会」1巻で紹介されたことがある。
※この漫画が連載されていた当時、まだ「鉄道モノ」の漫画は珍しかった。2000年代以降急速に増え始める鉄道マンガの、いわば先駆けともいえる作品である。

12:06 有明地区遠望


 集落内に有明郵便局があるはずだが、見落として通り過ぎてしまう。
(帰ってからの調査で、国道から脇道に入った旧天塩有明駅近くにあったことが判明)

12:27 「初山別市街4km 稚内118km」


 留萌から羽幌までは比較的平坦な道だったが、初山別村に入るとアップダウンがきつくなってくる。

12:42 初山別市街遠望


 市街地が見えてきた。

12:44 初山別市街


 市街とは言っても、人口は1000人にも満たない集落である。しかし、こんな所にも「セイコーマート」はしっかり出店している。
 このセイコーマート初山別店、実は「たとえ過疎地であろうと、必要とされれば採算度外視で出店する」セイコーマートの経営姿勢を表す例として、各種メディアで取り上げている。そして、このような姿勢こそがセイコーマートが北海道で愛され、高い顧客満足度を維持している理由の一つなのだとか。


▲セイコーマート初山別店

※参考記事
 あのセブンの上を行く「最強コンビニ」とは? 北の大地で磨かれた究極のサービス精神
  (東洋経済ONLINE)http://toyokeizai.net/articles/-/68523
 商圏人口900人!セイコーマート「初山別村」出店に秘めた未来戦略
  (リアルエコノミー)http://hre-net.com/keizai/ryutu/15758/

12:54 「遠別22km 稚内113km」


 初山別市街を抜けると、再び茫漠とした風景が広がる。相変わらずアップダウンがきつい。

12:58 羽幌線の遺構


 沿道には所々に旧羽幌線の遺構が残る。

13:17 初山別村豊岬(とよさき)


 豊岬郵便局があるはずだが、またも場所がよく分からずに通り過ぎてしまう。
 雲行きがいよいよ怪しくなってきた。降り出さないでくれ、と祈るような気持ちで進む。

13:31 原野が続く


 わずかばかりの集落を過ぎると、本当に人っ子一人いなくなってしまう。

13:48 遠別(えんべつ)町


 アップダウンの初山別村を抜けて遠別町に入ると、再び道は平坦になる。
 遠別は日本における稲作北限の地でもあり、稲穂のイラストが描かれている。

13:54 羽幌線の遺構


13:55 「遠別市街7km 稚内99km」


 原野を直線道路が貫く。

14:19 遠別市街に入る


 「道の駅富士見」を過ぎ、遠別川を渡ると遠別市街に入る。

14:28 遠別郵便局


 まだ雨は降り出していない。それどころか、雲が薄くなって少し晴れ間すら覗くようになって来た。

14:33 遠別市街


 妙に狭苦しい市街地を走り抜ける。

14:45 「天塩13km」


 未だ雨に降られないまま、いよいよ今日のゴールが近づいてきた。うまくいけば、まだ郵便局が開いているうちにゴールまでたどり着けるかもしれない。
 遠別市街を過ぎると、国道は海から少し離れた内陸部を走るようになる。景色が少し単調になってきた。

15:06

 
 かわりばえのしない風景が続く。

15:11 天塩町


 イラストに描かれているのは牛と天塩川、そして天塩名産の「しじみ」である。気候的に、遠別以北は耕作には向かないのだろう。それでも、遠別のような北の果てと言うべき地まで稲作を可能にしたことに、日本人のコメに対する執念を感じる。

15:12 「天塩市街9km 稚内81km」


 ゴールまであと9km。16時までに到着できるかもしれない。

15:18 


 風力発電施設もある。留萌管内は本当に、風力発電が盛んである。

15:27 「天塩市街5km 稚内77km」


 ゴールまであと5km!

15:44


 天塩市街が見えてきた。あと一息。雨の予報だったにもかかわらず、ここまで雨に降られることなく来れたことに感謝。

15:54 天塩郵便局


 郵便局が閉まる前に、ゴールにたどり着くことができた。自転車旅行で郵便局が開いている時間にその日のゴールにたどり着けたのは、もしかすると初めてだったかもしれない。

          ◆

 まだ空は十分明るいが、とりあえず、予約しておいた宿に向かうことにする。
 本日予約していたのは、天塩町役場の宿泊施設紹介ページに掲載されていた「サンホテル」というところである。普段は宿探し、予約はネットの宿泊予約サイトで全て済ませてしまう私だが、天塩町で8月16日から1泊、の条件では空室が見当たらない。やむを得ず町役場のホームページで探して電話で予約を入れたのが、ここだった。
 宿のホームページを見る限りだと何だか凄そうな場所にあるこのホテル(実際には市街地の外れの方にある)、失礼ながら最初はあまり期待していなかった。だが実際には必要最低限のものは揃っていたし、何より客室にバス・トイレがちゃんと設置されていたのには驚いた。これなら気兼ねなくお風呂に入れるし、お風呂のお湯を使って洗濯だってできる。コインランドリーはお金がかかるから、なるべく使いたくない。手間はかかるが、洗濯はお風呂のお湯を使って自分でやってしまうのが安上がりでよい。
 宿に荷物を置くと、私はカメラと財布だけ持って出かける。空は晴れていて雨は降って来なさそうだし、せっかくだから行ってみたい場所がある。
 旧天塩駅の跡地、である。
 とは言っても、現在、跡地には鉄道の痕跡を示すものは何もない。線路跡も現在では国道232号線のバイパス建設に転用されてしまっている。ただ、かつて「駅前食堂」だったと思われるお店の前には駅名標が展示されており、それが、その昔ここに駅があったことを示す唯一の「墓標」のように思われた。
 羽幌線が廃止されたのは1987(昭和62)年。既に廃止から30年近い年月が経とうとしている。鉄道が現役だった時代のことは、今この町に住む人の多くにとっても、もはや遠い昔の話になってしまったのだろう。


▲「駅前食堂」に残る駅名標


▲かつての「駅前通り」を望む
 
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