【北海道自転車旅行】4日目 天塩⇒稚内 その3(抜海⇒稚内)

(3) 抜海⇒稚内

11:00 抜海郵便局

 
11:07 「稚内市街 14km」


 抜海を過ぎると、道路は海岸線から少し離れた場所を走るようになる。
 そして残念ながら、この辺りからポツ、ポツと雨が降ってきた。しばらくの間は雨に打たれながら走り続けたが、次第に本降りになってくる。
 残念。諦めて雨合羽を羽織る。ただ私が持っている雨合羽は100円ショップで売っている安物で、雨合羽を羽織ったところで隙間から容赦なく雨が吹き込んでくる。靴も雨対策仕様でないので、こちらもあっという間にグチャグチャである。

11:30 道道254号線分岐点


 雨がかなりの本降りになってきた。
 道道106号線はここからノシャップ半島の付け根を横断する形で山を越え稚内市街に入り込むが、道道254号線はノシャップ岬回りで稚内市街に達する。ここは当然、ノシャップ岬に向かう。

11:33 「無事カエルロード」


 ノシャップ岬回りの道道254号線のうち、道道105号線分岐点から富士見町までの約5kmは「無事カエルロード」という名が付けられており、道中には交通安全を祈願したカエルの置き物が至るところに並んでいる。
 晴れていれば写真を撮りたかったが、この雨ではカメラを取り出す気にもなれず、一瞥しただけで通り過ぎてしまう。今思い返すと、惜しいことをしたと思う。

11:48 稚内市富士見


「ノシャップ岬5km 稚内市街9km」
 雨がしんどい。

11:59 稚内富士見簡易郵便局


 道道から逸れた脇道沿いにあり分かりにくいが、せっかく来たので訪問する。
 ……が、局内に入るには、一旦雨合羽を脱いだりしなければならない。何もかもずぶ濡れの状態では、これが結構大変な作業だった。そんな私を不憫に思ったか、郵便局員の方がタオルをくれた。ありがたかった。

12:11 稚内温泉「童夢」


 温泉に入るわけではないが、ここでちょっと休憩して体勢を立て直す。隙間から雨が吹き込んできたり向かい風でフードが脱げたりしていたので、その対策を色々と試みる。しかしどれも満足の行く結果は得られず。

 稚内温泉を過ぎれば、ノシャップ岬は近い。

12:36 ノシャップ岬


 晴れていれば景色を望みながら感慨に耽ったり、土産物屋を冷やかしたりしていただろうが、この雨ではどうしようもない。しばらく休憩した後、足早に立ち去る。じっとしていても仕方ないから、取りあえずは稚内駅まで向かってしまおう。
 が、程なくして、今までザーザー降っていた雨が小降りになり、ついには止んでしまった。結果論だが、抜海で2時間ほど雨宿りしていれば、雨に降られずに今日の行程をクリアできたのだった。

13:20 稚内駅前


 稚内駅は、建て替えにより随分と小奇麗な駅舎になっていた。
 私にとって稚内駅と言えば、いささか古めかしい2階建ての、構内に立ち食い蕎麦屋が入る、あえて言えば昔ながらの「国鉄」と雰囲気を留める(とは言っても、私に「国鉄」の記憶などほとんど全くないのだが)駅舎だった。しかしこの旧駅舎は再開発によって取り壊されてしまい、今では道の駅とバスターミナルが同居する小奇麗な駅舎に生まれ変わっている。(悪く言うと、鉄道が廃止された後も引き続き施設を活用できるように設計してある)
 「最北端の線路」が、駅舎部分を突き抜けて駅前広場まで達している。かつてはこの辺りまで、ホームが伸びていたのだろう。

 が、いくら何でも時間が早すぎる。今日は稚内で宿泊するが、時刻はまだ昼過ぎ。宿を探してチェックインするにもあと2時間ほど待たねばならない。私は駅構内で、しばらく休憩することにした。

 駅に入ると、13時44分発の特急「サロベツ」がホームに入線し、発車を待っていた。しかし改札前には、台風7号接近の影響で今日のこれ以降の列車は全て運休となる旨、掲示が出ている。
 今になって思えば、これが今年の、JR北海道「受難の夏」の始まりだった。


▲「最北端の線路」と特急サロベツ号


▲列車の運休を伝える掲示

          ◆

 今日の宿は、南稚内駅近くのホテルを予約している。休憩してもまだまだ時間があるので、私は16時までを稚内市内の郵便局めぐりに充て、それから宿に向かうことにした。
 とは言っても、過去に稚内は何度か来ており、訪問したことのある郵便局も結構多い。私は未訪問の郵便局を巡るべく、南稚内駅方面に向かった。


▲日本最北のマクドナルドらしい

 南稚内駅を通り過ぎ、市街地南部にある稚内潮見郵便局、稚内萩見郵便局を訪問する。普通の住宅地にある郵便局で、特別に面白いこともない。面白かったことと言えば、稚内萩見郵便局の待合室内を鉄道模型が走り回っていたことくらいだろうか。畳1畳分くらいのスペースにレールがループ上に敷かれ、そこを1両の車両(たぶんJR東日本のキハ110系)がぐるぐると走り回っていた。鉄道模型好きの局員さんがいるのかもしれない。
 少し急な坂を上り、稚内富岡簡易郵便局を訪問して本日の局めぐりは終了する。時間はまだ15時すぎだが、これ以上未訪局を攻めようとすると、次は声問まで行く必要がある。声問はちょっと遠い。それに天気も心配である。

 ホテルに荷物を置き、財布を持って買い出しに出かける。まずは「西條」で見切り品をハンティングするも、さしたる成果を得られず。結局、足りない分はセイコーマートで購入することにした。
 普段はコンビニで全く買い物をしない私ではあるけれど、セイコーマートではつい買い物をしてしまう(セイコーマートクラブカードも作ってしまった)。もちろん、地域によってはセイコーマートしか店がないようなケースもあるのだが、このセイコーマートの魅力は何といっても「コンビニなのに安い」という点にある。
 セイコーマートのプライベートブランド(PB)の一つに、「にぎわいパン屋通り」シリーズがある。メーカーはヤマザキや日糧だが、全く同じ品のメーカー品よりも、セイコーマートのPB商品のほうが安いという始末である。
 そのセイコーマートの安さの秘訣は、道内に生産から流通、販売に至るネットワークを確立している点にあるのだろう。必ずしも24時間営業を行っているわけではなく、営業コストの削減が可能だというのも理由の一つかもしれない。
 ただ、それゆえに、同一のビジネスモデルを全国展開するのは難しいという側面もある。確かに首都圏では、24時間営業を行わずに他のコンビニチェーンに打ち勝つのは困難かもしれない。北海道ローカルのコンビニチェーンだからこそ可能な価格設定と、北海道ローカルのコンビニチェーンゆえの地域密着性で、高い評価を得ているのだろう。
 稚内には、セイコーマート以外のコンビニが存在しない。流通コストが高すぎるために大手は進出を断念したそうだ。しかし、北海道で一位の店舗数を誇るセイコーマートも、道外では、フランチャイズの関係で茨城と埼玉に若干の店舗があるだけである。今後減ることはあっても、おそらく増えることはないだろう。残念なような気もするが、それでいいのかもしれない。何しろ、セイコーマートを見るとそれだけで「あー、北海道に来たなー」という気分に浸れるのだから。

 私はパンを何個か買った。何年か前に北海道で日糧のあんぱんを買って不思議なおいしさを感じて以来、日糧のパンを買うことが、北海道に行ったときの秘かな楽しみになっている。
 日本におけるパン食の普及については、戦後のアメリカの小麦戦略との関係が指摘されている。他方で日本人の魂というべきコメの消費量は、年々減少の一途を辿っている。しかし食糧自給率の低下は、安全保障上重大な脅威だと言わざるを得ない。食糧輸入のために、輸出国が提示する不利な条件を呑まされる恐れがあるからだ。個人的には、日本国内で生産できる「米粉」の消費がもっと拡大してもいいのに、と思う。もしかすると、「海の向こうのご主人様」が、それを許さないのかもしれない。
 だから――というわけでは別にないが、私は普段はご飯食である。パンを食べるのは、旅という非日常空間においてのみ許される、ささやかな楽しみ。こんな時くらい、ちょっとだけ贅沢してもいい……よね?
 
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コメント

No title

稚内の先早く見たいです

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