【東北自転車旅行】2日目 沼田⇒長岡 その1

2日目【2012年5月5日(土)】 沼田⇒長岡 約131.3km



(1) 沼田⇒猿ヶ京温泉

 池袋駅6時10分発の埼京線に乗るため、今日は5時起き。朝食を摂る間もなくあたふたと出発の準備をし、5時40分に自宅を出る。500ml入りのペットボトル3本に水を充填した上、どんぶり10杯分(!)の握り飯を積み込んだので、さすがに重い。そんなに大量の食糧を積み込んだのも、ひとえに節約のためである。旅先で食糧を購入すると往々にして高くつくので、常温保存でも大丈夫そうな日数分の食糧は自宅から持っていこう・・・・・・という魂胆だったのだ。が、池袋駅までの道のりを歩くうち、早くもこの「食糧持参計画」が失敗だったことを思い知らされることになる。あまりにも荷物が重すぎるのだ。が、今更家まで引き返すわけにもいかず、必死の思いで重い荷物を運ぶ。
 だから、池袋駅で大宮駅までの切符を購入し、電車に乗り込んで荷物を床に降ろしたときには、思わずホッとした。そして、ホッと一息ついたところで早速、1個目の握り飯に手をつける。電車内でものを食うようなみっともない真似はすまいと思っているが、時間のない今日ばかりは致し方ない。
 赤羽駅で高崎線に乗り換え、大宮駅で下車する。そして一旦改札を出て、改めて沼田駅までの切符を購入する。JRの運賃計算の仕組み上、わずかながらこういう買い方をした方が安上がりなのだ。
 大宮駅6時54分発の高崎線に乗り、今度こそ高崎を目指す。休日の早朝という時間帯にもかかわらず車内は割と混んでいた。
 昨日は何時間もかけて必死に自転車で進んだ道のりを、電車は矢のようなスピードで駆け抜けていく。そしてたどり着いた高崎で、いよいよ上越線の列車に乗り換える。



 上越線の列車は115系という古い電車で、重苦しいモーター音を上げながら走り出すと、ようやく旅をしているという気分になってくる。こういう旅情を感じられる鉄道路線も、今では随分と少なくなってきてしまった。
 9時11分、定刻通りに沼田駅に到着。高崎駅を出る時点で列車は3分ほど遅れていたが、走っているうちに遅れを取り戻したようだ。

          ◆

09:20 沼田駅前


 今日はいよいよ、最初にして最大の難関、上越国境の三国峠越えに挑む。はっきり言って、この三国峠越えに今回の旅の成否がかかっていると言っても過言ではない。気合いを入れ、しかし膝に負担をかけないよう、ゆっくりと前に進む。膝を痛めてリタイア、となってしまっては洒落にならない。



 まずは、国道291号線、群馬県道61号線を経由して後閑駅に向かう。国道17号線の旧道に相当するルートだ。後閑駅までは、比較的平坦で開けた場所を進む。

09:40 後閑駅前


 今は合併で「みなかみ町」となったが、かつてこの駅の周辺は「月夜野町」という、何となく趣のある町名で呼ばれていた。平安時代の歌人・源順が「よき月よのかな」と言ったことが、町名の由来になっていたらしい。(Wikipedia -月夜野町 参照)



 ここは三国峠方面に向かう道と、水上温泉郷・清水峠方面に向かう清水街道との分岐点になっている。私は三国峠に向かうので左折する。清水峠を越えるルートは、かつて明治政府が国家の威信をかけて開削をしながら、厳しい自然環境に耐え切れずにわずか数年で廃道同然になってしまったという悲劇の道だ。国道291号線の清水峠を越える区間は今、酷道の中の酷道として伝説と化している。
 左折して利根川を渡ると、月夜野の市街地に入る。街中の至るところに「月夜野」の文字が並ぶ。のどかな田舎道だ。





09:50 黒岩八景


 月夜野の市街地を抜けると、「黒岩八景」と呼ばれる渓谷美の区間に入る。頭上を上越新幹線の大アーチ橋が跨いでいる。こうして見上げてみると、よくぞこんな巨大な構築物を造ったなと思わせる。


上越新幹線のアーチ橋

 徐々に上り勾配がきつくなってくるが、覚悟して来たせいか、思ったほど大したことないなと感じてしまう。

10:00 三国街道


 国道17号線に合流してしばらく走ると、道路上に「三国街道」の案内表示が現れる。三国峠に向かっているのだという実感がこみ上げてくる。

10:07 旧新治村


 この辺りは、かつての新治村(現在は合併で「みなかみ町」の中心部。そして、ここまで走ってきてもなお、道は意外なほど緩やかな勾配で、むしろ平坦だと感じるほどだった。何だ、この程度なら余裕だな、と思わずうそぶいてしまう。
 が、本当の地獄は、ここから始まるのだった・・・・・・。

10:18 湯宿温泉


 旧新治村の市街地の外れにある温泉街。「猿ヶ京温泉5km 南魚沼62km 新潟176km」の案内表示が見える。
 この鄙びた温泉街を過ぎると、道は一気に、とんでもない激坂に変わる。

 とにかく、かなりの勾配の上り坂が、どこまでも、どこまでも続いていく。ちょっと進んでは休み、進んでは休み、の繰り返しだ。それでも上り坂は一向に終わることなく、足休めの平坦地すらない道が続く。
 そして、そんな私をあざ笑うように、車が次から次へと追い越している。対向車はなおさら快調に私とすれ違っていく。連休中のせいか、バイクや自転車の姿も目に付く。当たり前といえば当たり前かもしれないが、ママチャリなどただの1台も見当たらない。ママチャリで坂を上っている私から見れば、失礼ながらバイクなど「軟弱」に映ってしまう。

10:30 これより猿ヶ京温泉


 上り坂がようやく一息ついた頃、前方に「これより猿ヶ京温泉」と記された看板が現れる。相俣ダムのダム湖である赤谷湖の湖畔に出たのだ。ここから5分ほど走ると、唐突にローソンが現れる。峠の茶屋よろしく、駐車場にはバイクや自転車がたくさん駐輪してあった。
 私は水と食糧を持参しているので、少し足を休めただけで通り過ぎてしまう。


ローソンの駐車場にあった「ようこそ赤谷湖へ」の看板

10:45 猿ヶ京温泉


 赤谷湖畔に沿って上り勾配を進んでいるうち、とうとう猿ヶ京温泉の温泉街に入る。ひさびさの集落らしい集落で、沿道には温泉旅館や土産物屋が並ぶ。
 温泉街を抜ければ、いよいよ人跡稀なエリアに突入する。地図の上では峠が間近に迫っているが、ママチャリにとって、峠までの道は、果てしなく、遠い。


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