【東北自転車旅行】9日目 宮古⇒気仙沼 その3

(3) 釜石⇒大船渡(盛)

13:35 三陸鉄道南リアス線の高架橋をくぐる。道路周辺には更地が目立つ。


 国道45号線に合流すると、再び上り坂になる。

13:45 釜石大観音(の背中)

 
13:53 平田(へいた)駅付近


 国道は高台を走っているが、眼下に被災地が広がる。

14:01 平田総合公園に建ち並ぶ仮設住宅


 しかしここは、釜石市街から延々と続く上り坂を上りきった、石塚トンネルの入口付近にある。私の足でさえ、ここにたどり着くだけでヘトヘトだ。こんな高台にあっては、足腰の弱いお年寄りなど外出もままなるまい。

14:04 石塚トンネル


 相変わらず、歩道スペースもない長大トンネルである。このトンネルを抜けると下り坂になり、唐丹(とうに)の集落に達する。

14:14 唐丹の集落を望む


 海に面した場所が更地になっている一方で、山側の住宅は無事である。

14:18 唐丹駅


 一見無傷のように見えるが、東日本大震災津波ではホームに通じる地下道が天井まで冠水する被害を受けた。
 唐丹を過ぎると、鍬台峠に向けた上り坂になる。

14:25 三陸鉄道南リアス線・鍬台トンネル


 国道から、鍬台トンネルの唐丹側入口が見えた。震災のときは、走行中の列車がこのトンネル内で緊急停止し、乗客が運転士の誘導で脱出するまで3時間以上にわたり、余震が続くトンネル内に閉じ込められた。
 列車が走らなくなってから既に1年以上が経過しており、手前に見えるレールは錆びつき、草が生い茂っている。津波による冠水の影響か、バラスト(道床砂利)も流失していた。


同地点にて。「大船渡28km 気仙沼65km 仙台200km」

 ここから先、国道は一気に急な上り坂になる。途中で何度も休みながら、必死の思いでべダルをこぎ進める。坂の途中から望む眼下の風景には、素晴らしいものがあった。

14:39 国道45号線・鍬台トンネル


 長い上り坂を上りきり、ようやく鍬台トンネルにたどり着く。
 長大なトンネルでありながら、このトンネルもまた歩道スペースがない。とはいえ交通量もさほど多くなかったので、自転車で悠々、通過することができた。


トンネルを抜けると大船渡市(旧三陸町)

14:52 吉浜

 高台を走る国道から吉浜湾を望む

 ここ吉浜は、高台への移転によって東日本大震災津波の免れた集落でもある。
 高台移転のきっかけは、明治三陸地震津波(1896年)で壊滅的被害を受けたことだった。「津波はまた必ず来る」と確信していた当時の村長らが、高台移転を強く推進した。この高台移転が功を奏し、昭和三陸地震津波(1933年)では、死者・行方不明者は住民の1割にとどまった。現在では440戸の大半が標高20メートル以上の場所に建ち、東日本大震災津波では、低い地域にあった3戸が被害を受けたにとどまったという。
  参考資料 http://www.at-s.com/news/detail/100012080.html
       「高所移転」集落救う 岩手・大船渡(2011/3/20 07:17)

 吉浜の集落を抜けると、国道45号線は三陸町越喜来(おきらい)との間に位置する羅生峠に向けた上り坂にかかる。上り坂の途中からは吉浜の集落が見渡せたが、なるほど、海岸から集落の間に広い緩衝地帯が設けられ、これが津波から集落を救ったことが分かる。この緩衝地帯はかつては集落があった場所だが、今は水田になっている。水田にしたのも、この場所に決して家を建てさせないための知恵だったという。


羅生峠の上り坂から見た吉浜の集落

15:12 羅生トンネル


 このトンネルを抜けると、三陸町越喜来の集落に入る。旧三陸町の中心地だ。

 釜石から越喜来まで、国道45号線は概ね、三陸鉄道南リアス線に沿ったルートを通ってきた。しかし、ここから大船渡市の中心地・盛までの間、両者は大きく離れた場所を走る。三陸鉄道が甫嶺(ほれい)、綾里(りょうり)といった海沿いの集落を結んでいるのに対し、国道は山間部を通って大峠を越え、大船渡市の市街地との間を最短距離で結んでいる。
 ・・・・・・が、この大峠に向けた上り坂というのが、とんでもない急勾配なのだ。ツーリングマップルを開いても、峠の前後にもれなく激坂マークが付いている。勾配を緩和するバイパス道も建設されているが、けしからぬことに、これがまた「自動車専用道路」なのだ。どうして自動車ばかりこんなに優遇されて・・・・・・という気もするが、峠道で自動車以外が往来することは「普通は」ない以上、致し方ないのかもしれない。自転車で走ろうとする物好きな輩は、頑張って旧道を走りなさいということか。
 文句を言っても仕方がないので、覚悟を決めて峠越えに挑む。

15:20 上り坂の起点付近から前方を望む。この時点で、既にかなりの急勾配


 激坂マークが付いているよりも手前、まだ自動車専用バイパスが分岐する前にもかかわらず、早くもかなりの急勾配の道が続く。立ち止まって休んだり車をやり過ごしたりしながら、懸命に坂を登る。

15:42 道の駅さんりく


 ようやく上り勾配が落ち着くと、「道の駅さんりく」が現れる。ここを出て少し走ると、件の「自動車専用道路」への分岐点にさしかかる。

15:47 自動車専用道への分岐点


 自動車専用道とは言っても無料だから、料金所などの特別なゲートがあるわけではない。ただ快適そうな道が続いているだけである。
 釈然としないものを抱えたまま、こちらは旧道に入る。

 その先には、さらにとんでもない急勾配が待っていた。
 とりあえずは、頑張って自転車をこいで上ろうとした。が、すぐに道路工事で片側交互通行の場所に出くわす。対向車を待たせているらしいのでさっさと走り去ろうとしたが、全くスピードが出ない。やむを得ず自転車を折り、手で押して坂を上る。
 片側交互通行が終わったところで、再び自転車に乗る・・・・・・が、程なくして、やはり力尽きた。これくらいの激坂になってしまうと、これはもう、歩いたほうが早い。そう開き直ると、私はさっさと自転車を降り、峠まで自転車を押して歩いた。この方が、体力の消耗ははるかに少なくて済む。

16:10 三陸トンネル


 結局、2kmにも満たない距離に20分以上の時間をかけ、ようやく大峠を抜ける三陸トンネルまでたどり着いた。
 ようやく自転車に乗り、トンネルに入る。が、どうしたことか、トンネルに入ったとたんに強い向かい風が吹き付けてくる。トンネルを抜けても向かい風は止まず、おかげで下り坂なのにあまりスピードが出ない。結局、ずっとノロノロ運転のまま、大船渡市の市街地まで下ることになった。

16:37 大船渡市街


 「陸前高田17km 気仙沼37km 仙台170km」の表示が立つ。明るいうちに気仙沼まで着けるか、非常に微妙な情勢になってきた。
 大船渡市も津波により大きな被害を受けたが、この辺りは海岸線から離れており、震災前と全く変わりのない風景が続く。

16:42 盛(さかり)駅前


 大船渡市の中心部に近く、JR大船渡線、三陸鉄道南リアス線の起・終点でもある。現在は大船渡線、南リアス線とも運休中で列車は来ないが、駅自体は営業していた。
 時間も足りなくなってきたので先を急ぎたいが、ここで少しだけ休憩を取る。


三陸鉄道の盛駅

IMG_2249.jpg
「三陸鉄道 ここに始まる」の石碑

 10分程度の小休止の後、再び自転車にまたがり、気仙沼を目指して走り出す。


------------------------------

東北自転車旅行 目次へ戻る

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)