【東北自転車旅行】10日目 気仙沼⇒仙台 その1

10日目【2012年5月13日(日)】 気仙沼⇒仙台 約137.1km



(1) 気仙沼

 「志津川」というキーワードで検索をすると、検索結果の上のほうに、津波が押し寄せる様子を撮影したユーチューブの動画が出てきた。
 町内では比較的高台に位置する、志津川高校から撮影されたものだった。
 映像を見ながら、最初、私は「この場所なら大丈夫だろう」と思っていた。ところが、初めは遠くの方に見えた津波が、建物を次々に押し流しながら徐々に近づいてくる。「えっ? えっ?」と思っているうちに、津波はどんどん間近まで迫ってくる。動画の最後の方には、間近に迫った津波から逃れようと、斜面を必死で上ろうとする人たちが映っていた。
 テレビ報道のように編集が加えられたり、ナレーションが入っているわけでもない。地元の方が撮影した「生の映像」だっただけに、それはかえって強烈に、あの日、あの時間に起こった出来事を見る者に訴えかけていた。
 そして、思った。
 もし私だったら、逃げることができただろうか?
 おそらく、「ここまで津波は来ないだろう」と高をくくっているうちに津波が目の前まで押し寄せ、驚いて逃げようとする間もなく津波に呑まれていたのではないだろうか。

 志津川高校から撮影された津波の動画は、以下で閲覧できます。


 
          ◆

09:01 気仙沼駅前(出発)


 今日は久々に、朝からよく晴れていた。
 今日は昨日に引き続いて国道45号線を三陸海岸に沿って南下し、仙台まで行く予定である。距離は130km程度で、決して短くないとはいえ、多少の余裕はある。そこで初めに、気仙沼の市街地を自転車で回ってみることにした。


ようこそ気仙沼へ

09:06 気仙沼市役所近くの県道


 高台にあるせいか、津波の被害は見受けられない。

09:13 坂道を下り、標高の低い場所に下りる(「不動の沢」駅付近)


 この辺りまで来ても、津波の被害を受けた様子は全く見受けられない。私はこの先の角で左折し、南気仙沼駅方面へ行ってみることにした。
 角を曲がって少し走ると、川を渡り、そして気仙沼線の築堤の下をくぐる。

 途端に、風景が一変した。


気仙沼線の線路をくぐった途端、風景が一変する

 行けども行けども、目に入るのは更地か、破壊されたままの建物だった。
 あまりの風景の急激な変化に、しばし呆然とし――そして、とにかく自転車を走らせた。




破壊されたバスの車両が集められていた


こんな風景がどこまでも続く


舗装された道路が途切れ、砂利道に変わる

 目印になるものが全て流されてしまい、地図を見ても、自分が今いる場所がどこだかよく分からない。砂利道に変わったところで引き返し、近くにあるはずの南気仙沼駅を探してみる――が、どこにも見当たらない。既に撤去されたのか、駅も線路も、全くその痕跡をとどめていなかった。


唯一見つけた、線路の痕跡(だと思う)


南気仙沼駅方面を望むが・・・・・・

09:43 県道に戻り、志津川を目指す


 平穏そのもの内陸部と、完全に破壊され尽くした沿岸部。その対比はあまりにも残酷で、ふたつの地域の明暗を分けたものは何だったのか、そして今後の復興はどのようにあるべきなのか、しばし考え込まずにはいられなかった。


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