【奥多摩・檜原自転車旅行】 その1(青梅⇒奥多摩湖)

現地まで(池袋⇒青梅)
 朝の6時には自宅を出発したかったため、この日は4時半に起床する。日没が日に日に早くなってきているこの季節、太陽が出ている時間を最大限有効に使うためにも、できるだけ早く出かけてしまいたい。しかし、日の出の時間も遅くなりつつあるだけに、まだ辺りは真っ暗である。
 とはいえ、まずはしっかり朝食を摂る。食費節約のためには、現地で食糧調達するのは避けたい。自炊すれば、はるかに安上がりである。しかし、お腹に詰め込めるだけ詰め込もうとしたため、どんどん時間が過ぎていく。そうこうしているうちに、徐々に空が白んでくる。
 結局、何だかんだで、出発は6時半頃になってしまった。

 まずは青梅まで、新青梅街道をひた走る。池袋から青梅までは、新青梅街道経由で約45km。3時間もあれば着けるはずだ。通勤の流れとは逆方向なだけに、渋滞する対向車線を横目に、空いた車道を快走する。・・・・・・と思っていたのは最初だけで、次第に青梅方面の車線も混雑してくる。東久留米市に入った辺りからは交通量が激増し、やむを得ず歩道に避難する。しかし歩道もさほど広くない上、歩行者や自転車が頻繁に行き交う。神経を使う区間だ。

 午前8時ごろ、西武新宿線の久米川駅付近を通過。この辺りから、徐々に自然が増えてくる。しかし、沿道風景はさほど変わらない。「郊外」の風景がどこまでも続くだけだ。
 午前8時半頃、八高線の箱根ヶ崎駅付近に達する。ここまで来ると、前方に奥多摩の山並みが見えてくる。

08:46 青梅市に入る


 時刻が午前9時を回ったところで、早速、郵便局めぐりを開始する。今回は事前に郵便局の所在を調べておいたので、青梅若草郵便局、青梅霞台郵便局、青梅勝沼郵便局・・・・・・と効率よく回りながら、青梅駅を目指す。
 市役所の最寄り駅・東青梅駅付近を過ぎた辺りから、沿道の雰囲気ががらりと変わる。山地が目前に迫ってきたというだけではない。新興住宅地として開発されてきた地域から、歴史的な雰囲気を残す地域へと足を踏み入れたのだ。
 
          ◆

09:40 青梅駅前


 現在の青梅線の前身は「青梅電気鉄道」という名の私鉄で、立川~青梅間が開業したのは1894年(当時の社名は青梅鉄道)。1929年青梅電気鉄道と改称し、この年には御嶽まで線路を延伸させている。それが戦時買収により国鉄の青梅線となったのが1944年で、御嶽から奥多摩(かつての駅名は「氷川」)までは国鉄により開業した区間である。
 青梅駅の駅舎は1924年に建設されたもので、かつては青梅電気鉄道の本社社屋としても使われていたという。なるほど、それにふさわしい風格、というか威厳を漂わせる駅舎である。

 さて、青梅駅前からはいよいよ、今回の旅の「本番」である。

09:58 青梅上町郵便局付近


 今日の郵便局はなぜか混んでいて、予想外の時間ロスとなる。丁度いい休憩となったので良し。

 青梅駅前の市街地を抜けると、道はいよいよ上り勾配となる。人家も少なくなり、ひなびた雰囲気になってくる。ひさびさの旅情を感じながら、自転車を進める。

10:04 宮ノ平駅


 青梅のひとつ隣の駅。都市部の駅とはうって変わって、小ぢんまりとした無人駅である。列車本数も、青梅から先は30分に1本になってしまう。

10:08 日向和田駅



駅周辺

 ここで一旦青梅街道(国道411号線)から離れ、多摩川の対岸に渡り、吉野街道沿いにある吉野郵便局に向かう。

10:15 吉野郵便局
「梅の郷 吉野郵便局」と記された局名印が押される。
 ここから先は吉野街道をしばらく進み、軍畑(いくさばた)大橋を渡って国道411号線に戻る。沿道はどんどん山深くなってくる。

10:29 沢井駅入口


 青梅線の沢井駅に向かうには、この信号のところで右折して路地を進む必要がある。駅前には沢井駅前郵便局もあるので、ちょっと寄り道をする。
 ・・・・・・が、この沢井駅に向かう道がまた、とんでもない急勾配だったのだ。自転車をこいで上ることは早々に諦め、押して進む。国道から駅までは、距離にすれば100m程度。にもかかわらず、あっという間に消耗してしまう。


沢井駅


沢井駅前郵便局にて


急勾配の坂道

 沢井駅から国道に戻るには、結局、さっき上ってきた道を下るほかない。当たり前だが、今度はとんでもない急勾配の下り坂。ブレーキレバーを思いっきり強く握り締めながら下ったせいか、ブレーキがギーギーと不気味な音を立て始める。

10:46 御嶽駅前


 その名の通り、御嶽神社への最寄り駅、駅舎も社殿を模したものになっている。

10:52 御岳郵便局


 駅名が「御嶽」なのに対し、郵便局は「御岳」である。「名水と渓谷美・御岳郵便局」と記された局名印が押される。
 そして、御岳郵便局を出て少し走ると、いよいよ東京最奥の町、奥多摩町に入る。

10:55 奥多摩町に入る


 多摩川の渓谷に沿ったわずかばかりの平地に、道路と民家と線路が押し込められるように並ぶ。勾配もいよいよきつくなってくる。とは言っても、思ったほどではない。それに、奥多摩駅から先には、もっときつい勾配の道が待っている。この程度の上り坂で、キツいなどとは言っていられない。

11:01 川井交差点



青梅線の線路が寄り添う

11:03 「青梅マラソン 30km折り返し」


 青梅マラソンのことはよく知らないが、こんな場所まで走ってくるのかと思う。

11:09 古里駅前


11:16 古里郵便局


 旧型の赤ポストがよく似合う。

 ここから先、鳩ノ巣駅付近では「鳩ノ巣渓谷」と呼ばれる渓谷美を望みながら走る。時折トンネルも現れる。が、別に走りにくいということはない。特に、奥多摩駅手前にある新氷川トンネルは、建設されたのが最近のせいか、車道とはガードレールで仕切られた幅の広い歩道が用意されており、安心して走ることができる。日本中のトンネルがみんなこんな感じだったらいいのに、と思う。

11:45 奥多摩駅前


 青梅線の終点、奥多摩駅。とうとうここまで来た!

 考えてみると、奥多摩に来たのはこれが3回目だ。最初は私が中学生のとき(今から15年くらい前)で、当時は青梅線と五日市線を乗り潰すという目的しかなかったから、ただ来ただけでとんぼ返りしてしまった。次は大学学部生のとき(今から10年くらい前)で、当時「ローカルバス」に興味を持っていた私は、奥多摩からさらに奥、日原(にっぱら)に行く路線バスに乗るために奥多摩を訪れていた。ただ当時、奥多摩湖まで足を伸ばすことはなかった。いつか行ってみたいと思いながら、今日はもういいやと引き返してしまった記憶がある。
 あれから10年の歳月を経て、いよいよ奥多摩湖に向かうときが来た。こんな場所まで自転車で来るなど、10年前の私には想像もできなかったことである。思いがけないきっかけで、人は変われるものだ。

 何はともあれ、水分補給を兼ねて少し休憩した後、いよいよ奥多摩湖に向かって自転車を進める。

12:00 奥多摩郵便局
 10年前に訪問したことのある郵便局だったが、せっかくの機会なので再度訪れる。

12:06 弁天橋


 奥多摩の市街地を抜けたところで、多摩川に架かる弁天橋を渡る。橋を渡った所には奥多摩病院があり、救急車のサイレンが響いてくる。
 ここを過ぎると、道は一気に、急勾配の上り坂になった。

 「ルートラボ」の経路断面図を見ても分かるとおり、奥多摩駅から奥多摩湖(小河内ダム)にかけては、かなりの急勾配の上り坂になっている(それと同時に、奥多摩周遊道路の勾配の方がさらに激しいこともわかる)。進んでは休み、休んでは進み、の繰り返しだ。しかもこの区間には、歩道スペースの無いトンネルも連続している。おまけに、トンネル内まで上り勾配ときたから大変だ。トンネルに入ったら最後、トンネルを抜けるまでは足を休めることができない。これはさすがに、脚に「くる」ものがある。
 でも、ここ以上に、奥多摩周遊道路の勾配の方がきついのだ。この程度の上り坂で挫けてはいられない。

12:38 「小河内線」の線路跡


 奥多摩湖の近くまで来ると、唐突に、目の前に線路の跡のような構造物が現れる。
この線路は、小河内ダム建設のための貨物線として敷設された「東京都水道局小河内線」(通称「水根貨物線」)の跡である。ダム竣工後は観光鉄道として転用することも計画されていたが、結局実現することはなく、現在では事実上廃線となっている(ただし、施設自体は奥多摩工業株式会社が所有し、現在でも法的には線路は生きている(休止)ようである)。

12:43 「秩父多摩国立公園」の看板


 ここで道が二手に分かれる。左に進めば小河内ダム、直進すれば大麦代トンネルを抜けて奥多摩湖畔に出る。
 ダムに向かう道は、上り坂になっている。一瞬だけ迷ったが――私は結局、トンネルを抜けて近道をすることを選んだ。これ以上坂を上り続ける気力は、今の私には残されていなかった。


大麦代トンネル

12:53 奥多摩湖
hinohara (24)



 トンネルを抜けると、そこは奥多摩湖だった。休憩施設を兼ねた駐車場のような施設があった。そこに自転車を停めると、無事にここまでたどり着けたという安堵感から、ようやく一息つくことができた。
 だが、のんびり休んでもいられない。陽のあるうちに、少なくとも山間部は抜けてしまいたい。少しだけ休憩を取ると、すぐに先へと向けて自転車を進める。


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