【奥多摩・檜原自転車旅行】 その2 奥多摩湖⇒武蔵五日市

12:59 小河内郵便局


 小河内ダムまで上りきってしまえば、以降は、奥多摩湖畔に沿って走る区間は平坦な道である。今までの急坂の鬱憤を晴らすがごとく、快調に自転車を飛ばす。すると程なくして、前方に小河内郵便局が見えてくる。こんな山奥まで張り巡らされた郵便局のネットワークに、改めて感心させられる。郵便局が公共的なインフラであるが故だろう。

13:05 奥多摩湖を望みながら・・・・・・



小河内ダム

13:16 峰谷橋

 赤いアーチが映える

13:24 国道411号線・139号線分岐点


 このまま奥多摩湖に沿って国道411号線(青梅街道)を進めば、山梨県の丹波山村を経て塩山に至る。一方、山梨県小菅村を経て大月に向かうか、あるいは奥多摩周遊道路を経て檜原村に向かうには、左折して国道139号線に入り、奥多摩湖を渡る必要がある。
 時間に余裕があれば、このまま青梅街道を進んで県境まで行ってみたいと思っていた。しかし、もはやそんなゆとりはない。いずれは青梅街道を塩山まで走り抜けてみたいと思いつつ、今日のところは、素直に左折して檜原村に向かう。


奥多摩湖に架かる深山橋


国道139号線・奥多摩周遊道路分岐点

 深山橋を渡るとすぐに、今度は小菅村に向かう国道139号線から奥多摩周遊道路が分岐する。左折し、いよいよ奥多摩周遊道路に入る。ここから檜原村の数馬までは公共交通機関が通じていないから、奥多摩から檜原に抜ける旅ができるのは、自転車ならではである。

13:29 奥多摩周遊道路ゲート


 この道はかつては有料道路だったらしく、無料開放された現在でも、夜間は通行止めとなっている。もっとも、こんな山道を夜間に走りたいとは思わないが・・・・・・。
 ともあれ、いよいよ奥多摩周遊道路に足を踏み入れる。ここから檜原村との境にかけては、今日の旅で最大級となる、急な上り坂が待ち受けている。心してかかる必要がある。

 とは言っても、序盤の奥多摩湖に沿って走る区間では、そこまで上り坂はきつくない。が、奥多摩湖畔を離れた辺りから、勾配が一気にきつくなる。たまらずギアを、一番軽い段まで落とす。が、それでも全くスピードが出せない。少し走っては休み、休んでは少し走り・・・・・・の繰り返しになる。

13:43 どこまでも急な上り坂が続く


 休んでいる私の横を、大型バイクが轟音を立てて追い越していく。意外なことに(?)、自転車に乗った人とはほとんど出会わない。

13:59 まだまだ上り坂


14:30 起点から7km地点


 この奥多摩周遊道路の道路脇には100mおきにキロポストが設置されており、起点からどの程度進んだのかを教えてくれる。が、周辺に目印になるようなものは何もないから、地図を見ても、自分が今どの辺りにいるのか、全く見当が付かない。唯一分かるのは、自分がほぼ100mおきに、走ったり休んだりを繰り返しているということだけである。心拍が落ち着いたところで再び自転車を走らせても、スタミナは100mくらいしか持たず、すぐにまた立ち止まってしまう。
 それにしても、1時間走って、進んだのはたったの7km。歩くのとたいして変わらないスピードだ。

14:55 まだまだまだまだ上り坂



山の頂が・・・あんなに低く・・・見える・・・っ!!


9%の上り勾配を示す標識が!!

 ところで、奥多摩周遊道路で一番参ったのは、上り坂の途中で2箇所ほど、片側交互通行の場所に出くわしたことだった。こうなると大変で、対向車を待たせるわけには行かないから、交互通行の区間を一気に駆け抜けることになる。既に限界に達している脚に、これは本当にきつい。交通整理のおっちゃんに「頑張って」と声を掛けていただいたのが、唯一の救いである。もっとも、こんな道を自転車、それもママチャリで走っている私をどう思ったかまではわからないが・・・・・・。

15:06 月夜見第一駐車場


 駐車場はちょっとした展望台になっていて、眼下に奥多摩湖を見渡せた。小河内ダムの堰堤も見える。方角から考えて、あと一息で檜原村に入れることは間違いないようだった。どんなに速度が遅くとも、こいだ分だけ確実に、前に進んではいるのだ。

15:17 起点から10km地点を通過


 3km進むのに45分もかかっている。でも、延々続いてきた上り坂も、もう少しで終わるはずだ。
 そして・・・・・・。

15:28 「月夜見第二駐車場 200m」の看板


 この看板が見えてきた辺りから、にわかに勾配が緩やかになってくる。

15:30 檜原村


 ついに来た!! と、心の中でガッツポーズ。この感動は、分かる人にしか分かるまい。
 実際には、奥多摩周遊道路の標高最高地点はもう少し先にあり、まだしばらくはアップダウンの道が続く。でも、もうあんな急坂は走らなくて済む。そう思うだけで、心が軽くなってくる。そして、緩やかなアップダウンの道をしばらく進んでいるうち、道が一気に、今度は急な下り坂になった。

 さすがに下り坂はバカバカしいくらいに快適で、一気に速度が上がる。でも、カーブを曲がりきれずに事故を起こしたりしては大変なので、ブレーキを利かせながら進む。日没が近くなったせいか、それとも山間部のせいか、空気がひんやりとしてくる。かいた汗が急激に冷やされ、寒い。上着を羽織りたい。が、あいにく、そんなものは持ち合わせていない。荷物を減らすため、上着は自宅に置いてきてしまっていた。

16:04 数馬


 ここから先は、武蔵五日市駅行きのバスが出ている。沿道にわずかながら、ようやく人家がちらほらと現れる。

 ここから武蔵五日市駅までは、約30kmもある。が、日没の時刻も考えると、遅くとも17時半には武蔵五日市駅に着きたい。真っ暗な山道を走るのは、もう二度と御免こうむりたい。
 けれど辺りは、徐々に暗くなってくる。
 基本的に下り勾配の道とはいえ、たまに上り坂も現れる。本当に大したことのない、普段だったら難なく走り抜けることができる程度の上り坂さえ、ひどくきつい坂に感じる。疲労に空腹も重なって、もう今日中に「自走」で池袋まで帰り着くのは無理ではないかと思い始める。いっそ武蔵五日市駅近辺に自転車を置いて電車で帰ってしまい、自転車は明日にでも改めて回収しに来ればいいのではないか・・・・・・自転車を走らせながら、そんなことをそんなことを考えてしまう。
 が、自走で帰るにしろ電車で帰るにしろ、武蔵五日市駅に着かないことにはどうしようもない。今はただ、がむしゃらに山道を飛ばすしかない。最悪でも、日が暮れる前に山道は抜けてしまいたい。

17:00 本宿(もとしゅく)
 防災無線から「赤とんぼ」のメロディーが流れる中、檜原村役場前をマッハで通過する。もはや写真など撮っている余裕もない。

 本宿の集落を抜け、なおも続く山道を走り続ける。「あきる野市」と書かれた看板の下を通り過ぎる。空がどんどん暗くなってくる。でも五日市市街にはなかなかたどり着かない。山と川とわずかばかりの人家が並ぶ景色が、どこまでも続く。
 そんな沿道風景が開け、市街地に入ったときは、本当にホッとした。

17:28 武蔵五日市駅前


 空はだいぶ暗くなってしまったが、何とか目標どおり、日が暮れる前に山間部を抜けることができた。


          ◆

 さて、武蔵五日市駅に着いたところで、これからどうするかを決めなければならない。この近辺に自転車を置いて電車で帰宅するか、それとも自転車で帰宅してしまうか。疲労と空腹でもうこれ以上走る気力は残っていなかったから、普通であれば電車で帰ることを選択するところだろう。・・・・・・が、私は結局、このまま自転車で帰宅してしまうことを選んだ。武蔵五日市から池袋までは45km程度にすぎないし、道も平坦だ。普通に走れば3時間程度で着けるのだから、ここまで来た以上、このまま自転車で帰宅してしまいたかった。
 もっとも、最大の理由は、電車賃を節約したかったからなのだけれど。

 武蔵五日市駅を後にして五日市街道を進むと、程なくして空は真っ暗になってしまう。もはや車道を疾走する気力は残っていなかったので、歩道をゆっくりと走る。それでも疲労は如何ともし難く、あろうことか眠気まで催してきてしまう。適当なところで立ち止まったり手足を曲げ伸ばししたりして、疲労と眠気をやり過ごす。それでも今度は、徐々に膝に痛みが走り始める。
 結局、45kmの道のりを4時間かけて走り、池袋に着いたときには21時半を回っていた。

 奥多摩周遊道路の激坂は非常にきつかったけれど、それでも諦めることなく走り抜けた達成感は、やはり、何ものにも代え難いものだった。でも、もうしばらく自転車には乗りたくないと思ったのも、また事実であった。



                       《奥多摩・檜原自転車旅行  完 》


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