【秩父自転車旅行】 その2 秩父⇒寄居⇒池袋

西武秩父駅にて

 今日は、1日で200kmを走らなければならない。あまりのんびりしているゆとりはない。
 とはいえ、さすがに疲れていたので、ここでしばらく休憩を取ることにする。空腹に悩まされた前回の奥多摩自転車旅行の教訓を踏まえ、今回は自宅から、○ロリー○イトを3箱(12本!)持ってきていた。駅構内のベンチに腰掛け、それを頬張る。結局12本全部食べてしまった。食べたいものを食べたいだけ食べても太らない(多分・・・)のも、自転車趣味の特典だろう。ちなみに私の体型は、身長159cm体重48kg、ウエストサイズは66cmです。



 秩父は、2011年に放映されたアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(通称「あの花」)の舞台だとのこと。ここも他聞に漏れず、いわゆる「聖地巡礼」に訪れる人が多いようだ。そうした人たちの需要を当て込んだ商売は、この地でも展開されていた。
 写真は「秩父限定プレミアム振興券」の立て看板。

 結局、30分あまり休憩を取り、14時頃に西武秩父駅を出発。今度は国道140号線を走り、長瀞を経由して寄居方面に向かう。
 
14:01 秩父野坂郵便局


 とはいえ、まずは西武秩父駅近くにある秩父野坂郵便局を訪問する。
 そして踏切を渡り、秩父鉄道の線路の西側へ。こちら側が、秩父市の伝統的な市街地だ。

14:09 秩父市街にて


 「あの花」のキャラクターが「お買い物は市内商店街で!!」と訴えるの図。



14:12 秩父宮ノ側郵便局


 その名の通り、秩父神社に程近い場所にある。秩父鉄道の秩父駅もすぐそば。

14:18 秩父ハーブ橋


 近くにあるという秩父中村郵便局まで足を伸ばす途上、何となく立ち寄ってみる。
 しかし郵便局を見つけることができず、そのまま引き返す羽目に・・・。

14:24 秩父鉄道・秩父駅前


 駅に「地場産業センター」が併設されている、というよりも、地場産業センターに駅がくっついているという印象。今や地方鉄道のターミナル駅は、日本中どこへ行ってもこんな感じだ。

14:27 秩父神社


 過去に参拝したことがあるので、今回は一瞥するだけで通り過ぎる。
 しかし、それにしても、



 何なんだろうこれは・・・・・・。

 この後、秩父郵便局(本局)へも立ち寄ってみたが、ここの貯金窓口は「8人待ち」の大混雑だったので、旅行貯金は断念する。そして、国道140号線を、一路、寄居方面に向けて走り出す。

14:51 秩父大野原郵便局


15:03 国道140号線を走る

 秩父市黒谷付近

 この辺りは奈良時代に銅が産出されたことで著名で、付近には「和銅遺跡」がある。また秩父鉄道の黒谷駅も、最近になって「和銅黒谷」駅に改称された。

 国道140号線も299号線と同様、交通量はかなり多く、自転車で走るには難儀させられる。またこの道は、雁坂峠を越えて山梨県の塩山(甲州市)とつながっていることから、「彩甲斐街道」の愛称が付けられている。しかしはっきり言って、このネーミングセンスはどうかと思う。あとお願いだから、雁坂トンネルを自転車で走れるようにしてください(今のところ、雁坂トンネルは自転車・歩行者進入禁止となっている模様)。

15:08 長瀞6km 熊谷34km


15:12 皆野町に入る


 秩父鉄道の線路と並走する。

 この付近で国道140号線から離れ、しばらくは旧道を走る。やっぱり旧道はいい。

15:17 皆野駅前


 歴史を感じさせる、趣のある駅舎。

 この近くには皆野郵便局もあるはずだが、見落としてしまい、気がつくと隣の親鼻駅に着いてしまっていた。

 また、この辺りでは、中学生の下校風景にも出くわす。自転車に乗った中学生が、皆ヘルメットを着用していたのが印象的だった。こんな風景を見て切なくなってくるあたり、私ももうトシだ・・・・・・。
 あの頃に帰りたいとは思わないけれど。
 むしろ、中学から人生をやり直してみたいけれど。
 そしたら、今度はきっと、真っ当な人間に育ってみせるから。

15:25 親鼻橋


 再び国道140号線に戻り、荒川に架かる親鼻橋を渡る。



 川の向こうには、秩父鉄道の鉄橋も架かる。この場所は鉄道写真の撮影地としても知られる場所。

15:29 長瀞町に入る


15:34 長瀞駅前


「関東の駅百選認定駅」のプレートが掛かる。平日のため駅はひっそりと静まり返っているが、きっと休日ともなれば、観光客でごった返すのだろう。

15:39 長瀞駅前郵便局


15:50 長瀞郵便局


 時間も時間なので、今日の旅行貯金はここで打ち止め。

15:57 「寄居12km 熊谷24km」


 長瀞の市街地はこの辺りで尽き、以降はしばらく、荒川の峡谷に沿った場所を走る。しかし相変わらず交通量は多い上、国道から必ずしも荒川を望めるわけでもない。
 空が翳ってくる。日の長い5月とはいえ、夕暮れは近い。

16:01 樋口駅前


16:11 貨物列車が追い越していく


 秩父鉄道の屋台骨を支えるのは、貨物輸送だといってよい。
 資源小国と言われる日本だが、唯一、コンクリートの原料となる石灰石だけは自給が可能である。そして秩父は、全国有数の石灰石の産地でもある。
 でも、私は時々思うのだ。
 こんなに資源を掘り続けていたら、いつか掘り尽くしてしまう日が来てしまうのではないかと。
 心配していてもどうしようもないことは分かっているけれど。でも、石灰石を満載した貨物列車を見ながら、ふとそんなことを思った。

16:15 寄居町に入る


16:17 波久礼(はぐれ)駅前


 これも、歴史を感じさせる駅舎である。自転車旅行のおかげで、こういう駅舎に出会える。

 しばらく走ると、やがて有料道路の皆野寄居バイパスが合流してくる。その辺りで峡谷の風景は終わり、寄居の市街地に入っていく。
 国道140号線はここから先、市街地の外れを抜けるバイパス道路になってしまう。私は国道から離れ、旧道に入り、市街地に入り込んでいく。

16:35 寄居駅前(池袋から約120㎞地点)


 秩父山地と関東平野の境目に位置する寄居は、古くから秩父往還の宿場町として栄えた。
 今日の秩父路のの旅は、ここで実質的におしまいである。

          ◆

 子供の頃、「家に帰るまでが遠足だ」と言われたのを思い出す。
 寄居駅は、秩父鉄道と東武東上線、そしてJR八高線が集まる交通の要衝。そして、今日の旅の実質的な終点でもある。飯能から名栗村を通り、山伏峠を越えて秩父へ。そして荒川に沿って、長瀞を通って寄居へ。それだけでも十分すぎるくらいに、密度の濃い旅であった。
 でも、私の旅は、ここで終わるわけにはいかない。まだ「家に帰る」という作業が待っている。
 分解できる自転車だったら、ここで自転車をばらして東上線で帰ることもできるし、たぶんそうするのが「真っ当」なやり方なのだろう。でも、ママチャリではそうはいかない。だから、「自走」で家まで帰り着くほかない。

 けれど、自走で家まで帰るとしたら、今日一日の走行距離は200kmに達してしまう。
 せめて、走りやすい道を通って帰ろうと思った。
 寄居から池袋までは、国道254号線が通じている。しかし、この道は途中に勾配区間がありそうだし、しかも自転車にとって、必ずしも走りやすい道とは言い難い。
 結局私は、国道140号線(旧道)で熊谷に抜け、そこから国道17号線で帰るというルートを選んだ。このルートなら平坦だし、距離的にも、国道254号線経由とほとんど変わらない。それに国道17号線は、過去に夜間走行も含めて数回走ったこともある。夜道は知っている道を走ったほうが安心だ。

 いざ、国道140号線(旧道)を熊谷へ。陽の光があるうちに、少しでも距離を稼げ。

 変化に乏しい140号線を走ること1時間、17時30分頃には、熊谷の市街地に達する。右折し、国道17号線を南へ。交通量が多い。人通りも多い。車道を飛ばす。明るいうちに、少しでも先へ。行田、吹上、鴻巣・・・・・・と、街を次々に通過する。けれど北本で、ついに日が暮れる。空が真っ暗になる。車道が狭くなる。大型車がひっきりなしに通過していく。怖い。堪らず歩道に逃げ込む。安全第一。速度が落ちる。でも、まだいける。心配していた脚の状態も、疲労を感じているとはいえ特に問題なし。太ももが少し痛いが膝痛は感じない。どうにか大丈夫そうだ。
 けれど、上尾を過ぎてさいたま市に入った辺りから、いよいよ脚が限界に達してきた。
 池袋まで、あと30km。所要時間は2時間。普段だったら、どうということのない距離。すぐそこ、くらいの感覚。でも、その「30km」が、ずしりと重く圧し掛かる。
 しかも池袋の手前には、最後の難関「志村坂」が待ち受けている。
 実は、池袋の周辺というのは意外に標高が高く、むしろさいたま市周辺の方が標高は低いのだ。その池袋の台地に向かって駆け上っていくのが「志村坂」だった。
 休み休み、だましだまし、脚を動かし、前に進む。赤信号にホッとする。青になると、もう少しくらい休ませてくれ! と叫びたくなる。でも、ここまで来たら、もうさっさと家に帰り着いてしまいたい。帰宅への執念で、自転車を走らせる。
 荒川を渡り、東京都に入る。
 志村坂もクリア。ここまで来れば、もう大丈夫だ。

 22時10分、ついに椎名町に帰り着いた。
 疲労困憊でいろんな部分が限界寸前だったが、とにかくママチャリで1日200kmを走り抜いたのだった。

 でも、ちょっと思うところがあった。
 「ママチャリでも」1日200kmを走れたのではなく、「ママチャリだからこそ」1日200kmを走れたのではないかと。
 だって、ママチャリは、疲れたからといって輪行することはできないから。
 出かけたら最後、自力で帰り着くほかないのだから・・・・・・。


                          《 秩父自転車旅行  完 》


------------------------------
秩父自転車旅行 目次へ戻る

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ

にほんブログ村 自転車ブログへ にほんブログ村 自転車ブログ 自転車旅行へ
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)