【日光(栃木・足尾)自転車旅行】2日目 今市⇒池袋 その1

2日目【2013年10月8日(火)】 今市⇒池袋 約167.3km



 この日も午前4時に起床。急いで朝食を摂った後、池袋5時55分発の山手線外回り電車に乗るべく、5時20分頃には家を出発する。それはまだ薄暗いが、池袋駅まで歩いているうちに、だんだんと空が白んでくる。
 幸い、池袋駅からは予定よりも1本早い電車に乗れたため、北千住駅には6時10分頃には到着することができた。
 北千住からは6時31分発の東武日光・会津田島行き快速列車に乗車する。ボックスシートを完備した車両が使われており、旅の気分を盛り上げてくれる。もっとも普通運賃だけで乗車できる列車のため通勤・通学にも利用されており、春日部からは栃木まではけっこう混雑していた。
 栃木を過ぎると列車は空いたので、ボックスシートを占領してくつろぐ。たまには鉄道の旅もいいな、と思う。
 8時15分、下今市駅で下車。徒歩でJR今市駅まで移動し、自転車の旅を再開する。


下今市駅にて
 
          ◆

(1) 今市⇒間藤

08:31 今市駅前(出発)


 朝方は一時期霧が広がる空模様だったが、今はもうすっかり晴れている。今日も暑くなりそうだ。

08:36 今市市街


 今市から日光までは約7km。案外離れている。

08:37 瀧尾神社前


 再び杉並木の道に入る。道も上り勾配のままだ。
 とはいえ、昨日の鹿沼~今市間ほど鬱蒼とした感じの道ではない。所々では杉並木の外に国道が設けられている。

08:48 日光市野口


 日光街道という点を除けば、平凡な田舎道である。

09:07 日光駅前


 洋風の駅舎が目を引く。国鉄もかつては日光線での観光客輸送に力を入れていた。そんな時代をしのばせる。

 ちなみに、隣接する東武日光駅はJRの日光駅とは対照的に「山の家」風(?)のデザインで、しかも規模も大きい。かつては首都圏~日光間の旅客輸送で競合しあった国鉄と東武だが、いまや軍配は完全に東武に上がり、JR日光線は地域輸送に徹しているようだ。


東武日光駅

 日光に来るのは、考えてみると10年ぶりのことである。前回来たのは2003年の3月、当時所属していた歴史サークルの合宿で、日光の社寺を訪れた。だが、感慨に耽っている余裕はあまりない。駅舎を一瞥すると、すぐに更なる奥地へと向けて自転車を走らせる。

09:13 日光市街


 市街地が続いているが、既にかなりの上り勾配である。

09:21 日光郵便局


 日光駅前郵便局は10年前に訪問済みなので今回は割愛し、今日の旅行貯金は日光郵便局からスタートする。ニッコウキスゲの描かれた「宝の局名印」が押される。

 国道120号線をさらに進むと、東照宮や二荒山神社などが集まる社寺地帯に出る。だが今日は素通りし、先へと進む。

09:35 日光本町郵便局


 国道から脇道に入り、なおも急勾配を進むと、日光本町郵便局がある。「本町」の名の通り、この辺りが本来の日光の中心部なのだろう。

 国道に戻り、奥日光方面へと進む。「中禅寺湖17km 足尾19km 沼田92km」の案内表示が目に入る。



09:51 日光安良沢郵便局


 ここから先、清滝交差点で旧道をバイパスが分かれる。旧道を進むと、清滝郵便局がある。今まで上り坂が続いてきたが、この辺りは比較的平坦であった。

10:05 清滝郵便局


10:11 細尾交差点


 旧道が国道120号線に合流する。

 この清滝交差点で、道は二股に分かれる。右折して国道120号線を進めば、超激坂で知られるいろは坂を経て中禅寺湖に達するし、他方、直進すれば国道122号線に入り、日足(にっそく)トンネルを経て足尾に抜けることができる。
 私は足尾に向かうべく、交差点を直進して国道122号線に入る。

10:18 9%の上り勾配


 国道122号線に入って少し走ると辺りは森に包まれ、やがて9%の上り勾配を示す標識が現れる。ギアを一番軽い段まで落とすが、さすがにきつい。ゆっくり、休み休み上っていく。



10:21 眼下に旧道と思われる道を望む


 細尾峠を越える旧道も、一応生きているようだった。

10:32 日足トンネル


 細尾交差点から日足トンネル日光側坑道口までの距離は短く、急勾配とはいえ思ったよりもあっさりトンネルまで到達する。

 日足トンネルは全長2765メートルの長大トンネルで、そのせいかトンネル入り口にも、妙に武骨な構造物が建っている。おそらく、長大な自動車トンネルともなると換気設備など特殊な設備が必要になるからだろう。



 さて、その日足トンネルであるが、ネット上にはあまり情報がなく、自転車で通過できるのか、一抹の不安がないではなかった。が、自転車で日足トンネルを通過したとの旅行記は何件か見つけることができたので、おそらく大丈夫だろうと考え、ここまで来てしまったわけであるが・・・・・・

 結論から言うと、日足トンネルを自転車で通り抜けるのは、思ったほど危険ではなかった。
 幅が狭いとはいえトンネルの端には歩行者用スペースが設けられており、発進時の左右のふらつきにさえ気をつければ、自転車で走る分には問題ない。ただし、トンネルの途中に2ヶ所待避スペースが設けられており、そこを通り抜ける際に一時停止を余儀なくされる。トンネル内は十分な明るさが確保されており、真っ暗で辺りが何も見えなくなる、ということもない。
 もっとも、大型車がけっこう頻繁に走り抜けるので、その時に感じる風圧は恐ろしかった。

10:51 足尾側に抜ける


 慎重を期して十分すぎるくらいゆっくりとトンネル内を走り抜け、無事に足尾側に出ることができた。
 ただし、ここもまだ「栃木県日光市」である。市町村合併で足尾町が日光市に編入されたためだが、鉱山の「足尾」と社寺の「日光」のイメージは、どうにも結びつかない。

 足尾側に抜けてしまえば、以降はもう、バカバカしいくらいに長い下り坂がどこまでも続く。足を動かさなくとも、地球の重力の力だけでどんどん前に進める。さわやかな高原の風に吹かれながら、ただ、坂道をどこまでも下り続ける。

11:13 田元交差点


 下り坂を進んでいくと、やがて足尾市街の入り口に位置する田元交差点に出る。国道122号線はここから先、渡良瀬川の流れに沿って山を下り、桐生に抜ける。
 だが、私はここですぐに桐生方面に向かわず、一旦右折して間藤方面に向かう。わたらせ渓谷鉄道の終点、間藤駅に向かうためだ。

 間藤方面への道に入ると、再び上り勾配になる。その道を進んでいくと、まもなく前方に、間藤駅の駅舎が見えてきた。

11:18 間藤駅前


 かつて国鉄足尾線と呼ばれたわたらせ渓谷鉄道の終点、間藤駅に到着。


間藤駅ホームに停車中だったディーゼルカー

          ◆

 間藤駅は、鉄道紀行作家として著名な宮脇俊三先生(故人。ただし、敬称を略してしまうのはあまりに恐れ多いので、「先生」とさせていただきます)が国鉄(当時)の全線完乗を成し遂げた駅として知られている。その経緯については宮脇先生の著書『時刻表2万キロ』に記されており、先生としては「最後の一線」が足尾線になったのは不本意なことであったとしている。しかしながら、事情はどうあれこの間藤駅が『時刻表2万キロ』の“終着駅”となったことで、ここは鉄道ファンのみならず宮脇先生の著作のファンにとって「聖地」というべき場所になった。
 私が今回わざわざ間藤駅をまで立ち寄ったのは、宮脇先生に敬意を表してのことでもある。鉄道ファン以外の人からは「マニアの奇行」としか受け止められていなかった国鉄の「全線完乗」を紀行文学の域にまで高めた先生の功績は、私ごときの薄っぺらな日本語では語り尽くせないものがある。私自身、中学生の頃に宮脇先生の著作に出会い、多大な影響を受けた一人である。そして自分もいつか日本の鉄道の全線に乗りたいと思うようになり、2009年8月20日、高山本線の猪谷駅(富山県)にてJR線の全線完乗を成し遂げた。
 もっとも当時、私の興味は既に鉄道から自転車に移りつつあった。そうした事情もあり、私鉄も含めた日本国内の鉄道の全線完乗は、未だ実現できていない。地方私鉄(第三セクター鉄道を含む)の大部分は乗車済みではあるものの、大手私鉄については関西・九州地方を中心に、かなりの未乗線区が残ってしまっている。加えて都心部の地下鉄線などわざわざ乗る気もしないので、おそらく、もはや日本国内のすべての鉄道に乗ることはないと思われる。夜行快速列車の相次ぐ廃止、整備新幹線の開業に伴う並行在来線の廃止などによる青春18きっぷの使い勝手の悪化や、地方線区におけるダイヤや車両の改悪などが私の「鉄道離れ」を促している面は否めない。もっとも鉄道会社の立場からすれば、金を落とさないくせに面倒ばかりかける鉄道マニアが減ってくれて万々歳かもしれないが・・・・・・。

 話が横道に逸れたが、間藤駅は先述のように宮脇先生のファンにとって「聖地」というべき場所であり、間藤駅の駅舎内では、宮脇先生に関する簡単な展示がなされていたばかりでなく、「駅ノート」も置かれ、この地を訪れた人々が思い思いのことを書き綴っていた。
 私はノートに1行だけコメントを残し、間藤駅を後にした。


駅舎内の展示

11:24 間藤駅周辺の町並み


 間藤駅からさらに奥の方へ1kmほど進むと、足尾赤倉郵便局がある。過去に訪れたことのある郵便局だが、ここまで来た記念で、足を延ばすことにする。

11:27 踏切の遺構


 かつては間藤駅からさらに1kmほど奥に進んだ足尾本山地区までレールが延びており、貨物輸送に用いられていた。貨物輸送は既に廃止されて久しいが、当時の踏切や線路は未だに残っている。


踏切跡より足尾本山方面を望む

11:33 足尾赤倉郵便局


 旅行貯金をして引き返す。
 そして、先ほどの田元交差点まで戻り、今度は足尾駅方面へと自転車を走らせる。


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