【北海道自転車旅行】1日目 苫小牧⇒札幌

1日目【2016年8月14日(日)】 苫小牧⇒札幌 約64.3km


 
13:45 苫小牧港


 フェリーから降り立った北海道は、晴れ渡る青空だった。
 吹き付ける風が心地よい。夏なので当然気温は高いけれど、東京のジメジメとした鬱陶しい空気と違い、こちらはカラッとした爽やかな風だ。
 早速自転車にまたがり、今日の目的地である札幌を目指す。その道の広いこと! 片側2車線の広々とした車道に加え、路肩スペースも車道の1車線分くらいある。冬の間、除雪した雪を集めておくために、広い路肩スペースが必要なのだろう。ここは、やはり北海道だ。
 無事に旅を続けられる。その喜びをかみ締めながら前に進む。

          ◆

 思えばフェリーでの旅は、中々にキツいものがあった。
 客室の扉を開けて真っ先に驚いたのは、その一人当たりのスペースのあまりの「狭さ」だった。一番安価なエコノミータイプ(男女別の雑魚寝部屋)を選択した以上仕方ないと言われればその通りではあるし、指定席なので自分のスペースを確保できるだけありがたいのは確かなのだが、如何せん隣の人との間のスペースが狭すぎる。ちょっとでも寝返りを打とうものなら、たちまち隣の人と接触すること請け合いである。しかも最繁忙期なので空席も全くなく、文字通りの「すし詰め」状態。こんな船室で寝れるか!とばかり、ロビーで夜を明かしている人も実際にいた。
 ともあれ、私は自分のスペースに荷物を置くと、すぐさま浴場に向かった。全身汗でベタベタして気持ち悪いし、何より目の状態を何とかしてしまいたい。個人的には共同浴場の類は苦手なのだけれど、こういう状況下では贅沢は言っていられまい。とにかく目を徹底的に洗浄し、耳や鼻の穴も入念に洗い流す。その甲斐あってか、目の違和感は幾分和らいだように感じられた。
 浴場から出たあとは、船のロビーで夕食を摂る。知らない間に、フェリーは大洗港を出航していた。食事の後は就寝。ネットもつながりにくい環境ですることもないし、何より体を休めたい。まだ20時頃にもかかわらず、横になるとあっという間に眠りに落ちてしまった。

 翌朝目が覚めると、5時頃だった。フェリーは大船渡沖を航行しているようだった。
 とりあえず朝食を摂り、しばらくはロビーでボーっとしながら過ごす。……が、どうにも気分が悪い。フェリーがゆらゆら揺れているせいだとは思うが、自分の頭自体が揺れているような感覚に陥る。
 私は苫小牧港着岸まで、寝られるだけ寝ることにした。船酔い防止は、寝るに限る。おかげで苫小牧港到着の頃には、前日のボロボロの状態がウソのように、体調はすっかり回復してしまっていた。

          ◆

14:18 千歳21km 恵庭29km 札幌58km


 国道36号線を進む。市街地を抜けると、周囲は一気に原野に変わる。

14:45 植苗付近


 案内表示に「新千歳空港」の文字。もう千歳の近くまで来たのかと思うが、実際には千歳市街まではまだ15kmほど距離がある。

15:07 千歳市


 緩やかな上り坂を上っていくと、千歳市に入る。さすが空港の町だけに、飛行機のイラストが描かれている。ここはもう空港に近いようで、時折、轟音とともに飛行機が頭上を通過していく。改めて考えると、よくあんなものが空を飛ぶものだと思わせられる。

15:15 新千歳空港を望む


15:21 南千歳駅


 車の交通量こそ多いが、周囲には人っ子一人おらず、随分と寂寞とした印象を受ける。かつては千歳空港駅と呼ばれた南千歳駅だが、空港連絡の機能が新千歳空港駅に移ってからは、単なる乗換駅と化してしまった。京成の東成田駅のようだ……と言ってしまっては、言いすぎだろうか。

15:44 千歳駅前


 久々に市街地の中を走る。都市と都市の間の距離が長く、間に原野が広がっているのが北海道の特徴である。さすがにスケールが大きい。もっとも道東・道北方面は、苫小牧~千歳間の比ではないのだろうけれど。

16:00 恵庭4km 大曲18km 札幌33km


 千歳市街を抜けると、辺りは再び原野に変わる。

16:05 恵庭市


 憲法を履修した人なら必ず習うはずの「恵庭事件」で知られる恵庭市。

※恵庭事件……自衛隊の電話通信線を切断した被告人が自衛隊法違反に問われた刑事事件で、自衛隊の合憲性が争点となった。札幌地方裁判所の昭和42(1967)年3月29日判決は、被告人の行為は自衛隊法違反の構成要件に該当しない旨述べて無罪判決を言い渡し、憲法判断を回避した。検察が控訴しなかったため判決は確定した(無罪を言い渡された被告人には上訴の利益がないため、控訴できない)。

16:18 恵庭市街


 市街地を抜けると、辺りは再び原野に変わる。さすがに自衛隊の町だけあって、特殊車両(自衛隊は軍隊ではないという建前上、「軍用車」と言ってはいけない)が普通に脇道から出てくる。ちょっと驚いた。

16:43 北広島市


 この辺りは緩やかなアップダウンの繰り返しである。辺りは原野だが、行き交う車は非常に多い。札幌が近い。

16:57 大曲4km 札幌19km(北広島市厚輪付近)


 この辺りから、次第に市街地が連続するようになってくる。

17:14 札幌市


 ついに札幌市に突入。ここまで来ると沿道も、ありふれた郊外の風景になってしまう。

17:32 豊平区


 近くには札幌ドームもある。今年(2016年)は北海道日本ハムファイターズが、首位ソフトバンクとの最大ゲーム差11.5を逆転してパ・リーグを制するという快挙を成し遂げた(本稿執筆時点では、日本一をかけて広島と対戦中→10月29日の試合で広島に勝利し、4勝2敗で日本一に輝いた)。ネット界隈で野球以上に色々な意味で有名なTDN(意味はググって下さい)は、2007年に日本ハムがドラフト1巡目で指名していたらしい。アッー!

17:44 札幌駅まであと6km


18:00 豊平橋


 豊平川に架かる豊平橋を渡ると、いよいよ札幌の中心部に入っていく。今日のゴールが近い。ようやく来たなという思いと、思ったよりもあっけなく着いてしまったという思いが交錯する。

18:05 すすきの交差点付近


 ここで右折し、札幌駅方面へ。

18:10 さっぽろテレビ塔


18:16 札幌駅前

 到着。

          ◆

 この日宿泊したのは、「すすきの」のど真ん中に立地するカプセルホテルだった。別にすすきのを選んだわけではなく、ネットの宿泊予約サイトで一番安かったのがその施設だったというだけの話である。近年の外国人観光客増加の影響もあって札幌はホテルが不足しているらしく、何の変哲もない普通のビジネスホテルでも、他の都市と比べると割高感は否めない。カプセルホテルだろうとビジネスホテルだろうと寝てしまえば一緒なのだし、カプセル特有の不便さ(荷物をロッカーに入れなければならない、等)や共同浴場であるという点さえ我慢すれば、一泊吉野家の朝食券つき2300円という値段は、確かにお値打ちではあった。
 市営の公共駐輪場に自転車を置き、宿に向かった。荷物を置くと、早速買い物に向かった。
 なにしろここは、言わずと知れた北日本最大の歓楽街。男(生物学的には…)の一人旅、買い物で向かう場所など一つしかない。

 イトーヨーカドーすすきの店、である。

 地下の食料品売り場では、店員さんが今まさに、30%引きとか40%引きのシールを貼っている最中であった。今夜と明日の食糧を買い込み、大MANZOKUで店を出た。
 ホテルに戻り、先に普通のお風呂(ごくごく普通のお風呂)で汗を流してしまう。その後は夕食。ランドリーコーナーもあったので服を洗ってしまおうかとも思ったが、洗濯機が1回300円、乾燥機は別料金と聞き、やめた。洗濯は明日の留萌まで持ち越しにせざるを得ない。
 カプセルに戻った後はスマホゲームの二次元美少女を育成したりして時間を潰しつつ、22時30分頃にはもう横になってしまう。明日の目的地は留萌、130kmも離れている以上、なるべく朝早く出発してしまいたい。さすがに疲れていたせいか、横になると程なくして深い眠りに落ちていった。

 草食系男子、万歳。
 
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